子どもと「一緒に」成長しようシリーズ Vol. 2

父の日にお父さんにプレゼントした息子の絵。スケボーを満喫。

父の日にお父さんにプレゼントした息子の絵。スケボーを満喫。

先月6月の父の日。息子は最近始めたスケボーが楽しいらしく、一緒にスケボーで遊んでいるところを描いた絵をお父さんにプレゼントしました。父の日を迎えた主人は、そんな息子のプレゼント受け取って、むしろ自分が父親にならせてもらったことに感謝している様子で、私はそれが親としてとても素敵な姿だなと感じました。

そんな主人は、息子が寝た後、私にこんな話をしてくれました。
在宅ワークが増えて、今までどれだけ短い時間しか息子と過ごしてこなかったかに気づき、これからはもっともっと息子との時間を大事にして、息子との時間の中で自分も成長したいと話してくれました。そして次の2つのことを始めてみたいと提案してくれました。

1つ目は、夕食のときにはスマートフォンは食卓に持ってこず、お互いの目をしっかりと見ながら、今日起きたいろいろについてマインドフルに語り合う。ただ話を聞くのではなく、全身を使ってしっかり聴く

2つ目は、息子には秘密で、息子のGoogleのアカウントを作る。そこに、父の日や、誕生日、その他何か大きなイベントがあるごとに、私たち親からメールを送る。そして、息子がいつか家を出るときに、そのメールアドレスをプレゼントする。

とてもシンプルですが、この2つは、私たちの家族関係をよりいっそう深めることになるな、と思える素晴らしい提案だと思いました。息子を幸せにするだけでなく、この2つに取り組むプロセスの中で、私たち親が人間として大きく成長できるプロジェクトになりそうです。

コーチングの世界で使われる言葉で、「エンジェルアイ」(天使の瞳)と言う言葉があります。相手を無条件に受け入れる目の表情です。その逆が、「イーグルアイ」(鷲のように厳しい目)です。朝から午後まで離れて暮らしている間に、子どもたちには様々なことが起こっています。大人の私たちが、「なんだそんなこと」と思ってしまうようなことに、大喜びしたり、深く傷ついたりしながら過ごしています。いろいろなことを抱えて帰宅する子どもたち。そんな子どもたちを「この子はちゃんとやっているのかしら?」と言うイーグルアイで見るのか、嬉しいことも悲しいことも何でも聴くよ、と言うエンジェルアイで見るのか。これは、子どもたちが、外で何が起きても家庭内に自分の「居場所」があると感じられるかどうかに深く関係してきます。子どもたちが学校から帰ってくると、まだ仕事が残っていたり、習い事に連れて行かなければならなったり、夕飯を作ったり、なかなかエンジェルアイで話を聴いてあげる時間を取るのは難しいものです。ですから夕飯の時間を使って、柔らかいエンジェルアイで子どもにその日に何が起きたかをきちんと話してもらう機会を作りたいなと、主人の提案に私も嬉しくなりました。

それから、成長して巣立っていく我が子に十数年共にした日々を綴ったメールの数々をプレゼントするなんて、なんて素敵なアイディアなのでしょう!私自身、大学から家を離れてイギリスに留学していたのですが、その時に母が残してくれた手紙は、留学の間中、私の宝物でした。どんなに離れていても、何が起こっても、私の居場所はあそこ(実家)にある、と言う気持ちは、私の長い留学生活の心の支えになりました。

夕飯の時に、しっかりと子どもの目を見ながら、お互いの1日について語り合う。これは私たち家族の今を共に生きること。将来の息子に向けてのメールは、まだ見ぬ将来の息子を応援し勇気づけ愛し続けること。シンプルなことだから続けられるし、続けるプロセスの中でたくさんの対話が生まれ、生きた言葉が綴られ、私たち親は子どもの成長とともに一緒に成長できるだろう、とワクワクしています。

息子にメールアドレスを渡すとき、果たして私たちはどんな家族へと成長しているのか、楽しみであると同時に、1日1日を心を込めて大切に過ごしていきたいと、改めて身の引き締まる思いになった、主人との大切な会話でした。