BS 活動報告 2018.07.15

7月のBody Synergyは、『委ねること・委ねられること』について考えました。

まずは、他者に頼る前に、自分の足でしっかり立ち、しっかり歩き、しっかり呼吸をする時間をとってからワークスタート。

一人が寝転がり力を抜きます。頭、右腕、左腕、右脚、左脚にそれぞれ一人ずつ付き、それぞれが担当の部位をゆっくり動かしていきます。寝転がっている人は、とにかくリラックスをし、自分の意思や筋肉は一切使わずに委ねる。
自分の意識は働かさず、他者にその動きを任せる。しかも頭と四肢を、同時に、別々の意識を持った人に委ねる。完全に委ねるといういうのは難しく、どうしても反射的に自分で動かしてしまう瞬間があるのですが、だんだん力の抜き方がわかってくると、とても心地よく、水の中に沈んで漂っているような、ずっとそうしていて欲しいような感覚になりました。

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次に、倒れてきたパートナーを受け止めるワーク。これはきっとだいたいの人が子どもの時にやったであろう遊びなのですが、大人になってやってみるとなかなかのチャレンジです。一人が直立しからだを板のようにした状態で倒れます。もう一人は、その倒れてきたパートナーをしっかり受け止め、また押し返して直立の状態まで戻してあげます。これを何度か繰り返し、慣れてきたらだんだんパートナーとの間隔も開き倒れる距離を伸ばしていきます。もちろん、後ろ向きもやります。
この時、倒れていく側は、出来るだけ自分で自分の身を守ることはせず、相手を信頼し全身を委ねます。そして受け止める方は、その自分を信頼して身体を投げ出してきたパートナーを責任を持って支えます。脚がグラグラしてしまったり、倒れてしまったりするようなことは許されません。自分を信頼して頼ってきた相手を、何が何でも受け止めます。

このワークに慣れてきたら、次は、同じことを5人組で行います。真ん中に一人(倒れる人)、前後左右に一人ずつ(支える人)立ちます。真ん中の人はどこに倒れて行っても必ず支えてくれる人がいると信じ、ランダムに倒れていきます。周りの4人はいつ何時自分の方向に倒れてくるのかわからない緊張感の中で、いつでも対応できる身体をつくって待ちます。
昨日のメンバーは、以前から一緒にワークしてきたメンバーで、始めからある程度信頼関係が出来ているところからこのワークに取り組んだので、多少の緊張感はありましたが、特に倒れる側は安心していたように見えました。

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最後のワークは、《遺言》と呼んでいるワーク。流れは、まず、一人が自分が行きたい方向に指を指す。そして残りのメンバーの準備ができたのを感じたら、後ろに倒れる。残りのメンバーは後ろにまわり、倒れてきた人を全員で支え完全に持ち上げる。そのままゆっくりと、指のさされた場所に運んであげ、そっと床に降ろしてあげる。その人が満足するまでまわりの人は少し距離を持った場所で見守る。次の人が行きたい場所に指を指す。といった具合に、交代しながら全員を運びます。

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『委ねること』と『委ねられること』は、日常でも起こり得る状況ですが、なかなか難しいことだと思います。「自立して、一人で生きていく」ことよりも勇気のいることかもしれません。
参加者の方々との会話で、「委ねるという行為は、委ねられた経験、委ねられてしっかり支えてあげられたという経験があって初めて、本当の意味で相手に委ねることができてくるのではないか」という意見が出ました。自分を信頼しきって頼ってきた相手に対し、全身でもって相手を支えられた時、ひとは自信をつけ、人に委ねることができるようになる。そんな見方は私にとってとても新しく、他者と自分との関係性を改めて考えるチャンスとなりました。

参加者の皆様、今月も濃い時間をありがとうございました!

8月は、今年で3回目となる、Body Synergy International Workshop Vol.3です!こちらの詳細も、すぐに追ってお伝えしますので乞うご期待!