アートの裏側にあるすごい力
3月27日の土曜日、アルゼンチンより中継して、「テアトロアルヴァシオ」という子どものための舞台芸術を作るカンパニーによるスペシャルワークショップを開催しました。
アーティスト、ホセとエイドリアンによるワークは、彼らが作品作りをする上でもとても大切にしている、子どもの目線に立ってみる、という視点のあふれた充実したものでした。
見慣れた家という空間をおしゃれな場所に大変身させるワークショップでしたが、彼らが提案したことは、部屋の中にある、何気なく見逃してしまう傷やシミ、もしくは形に着目すること。そしてそれがどんなものに見えるのか自分たちの想像力を使って見てみること。発見したモノやカタチはマスキングテープで枠取りをして、美術館のような額縁に。
ワークが始まった途端、どの参加者も夢中になって隠されたアートを探し、見出していきました。
みんなが発見したものは、床の木の模様がおたまじゃくしになったり、ベビーチェアが蛙になったり、クレヨンの走り書きがリズムに見えてきたり。みんなの感性がピカピカと光って発見に表れていました。
遊び感覚で夢中になって楽しく見つけたアートですが、実はもの凄い力を育てているのです。
それは、普段見過ごしている物事に気がつく、ということ。
さらに、欠陥や不要ととらえらるものに、美的感覚で持って意味を与えるということ、なのです。
このような、ものの見方の転換の訓練をすることがアート探しに実は隠されていたのです。
それはどういうことに繋がるかというと、問題解決力に繋がると思うんです。
社会で生きていて、問題や壁にぶち当たったとき、その原因を探して、その障害を無くそうとしたり、または逃げたくなったりします。
でも、このワークのような、クリエイティブで好奇心で持ってその課題に向かった時に、視点を変えることで、問題がありがたい機会に変貌をする見方ができるようになるのではないでしょうか?
当たり前のものや既存の概念のある物事を、違った角度から、アートのように見てみる。そうすると新しい切り口が生まれてくるかもしれません。
Takeshi