コロナ時代にアートがゼッタイに『必要』な理由
こんにちは!
アートで日本の親子と世界を繋ぎ《正解のない時代》を生きる子どもたちの土台を創る
Creative Kids Academyのサンダークリフさやかです。
みなさんやお子さんにとってアートって『必要』なものですか?
✔️楽しいから好きだけど、特になくても生きていけるな…
✔️『必要』なのはお金とか食べ物とか。衣食住に関わることを言うんじゃない?
✔️そもそもアートが自分の生活に必要だったことが一度もないから…
『必要』かどうかと聞かれると、より生活がアートから遠く感じられるかもしれません。
そんなあなたにぜひお子さんと読んでいただきたいのが、レオ・レオニの『フレデリックーちょっとかわったねずみのはなし』
前から私の好きな絵本のひとつでしたが、コロナ時代に生きる今の世の中に想像と創造の力の大切さをなげかけてくれている大事な本です。
なかまののねずみたちが、冬に備えて木の実を一生懸命にあつめているというのに、フレデリックだけはなにもせずにぼーっと景色を見てばかりいます。
「さむくて くらい ふゆの ひの ために、
ぼくは おひさまの ひかりを あつめてるんだ」
一生懸命に働いているなかまにむかって、フレデリックは言います。
しかし、長い冬がやってきて、だんだんと食べものもなくなり寒さで凍えそうになっていたとき、のねずみたちを救ったのはなんとフレデリックだったのです。
フレデリックはおひさまのひかりを集めたり、いろを集めたり、ことばを集めたり…
寒さに絶望するなかまのために、日のひかりのあたたかさ、いろの美しさ、そして季節のうつり変わりをテーマにしたことばを贈ります。
目をつぶったなかまたちはフレデリックのことばのおかげでカラダがだんだんとあたたかくなるのを感じながら
「これは まほうかな?」
とおどろきます。
いかがですか?
なぜ私がアートが『必要』かということばを使ったのか、おわかりですか?
現代社会に生きる私たちは、資本主義の社会のなかで、お金に絶対的な価値をうばわれて、毎日を生産性の中で暮らしてしまいがちです。
もちろん、愛する子どもたちにも金銭的な苦労はしてほしくない。だから「安定した生活を送ってほしい」と思いがちです。そのためにはいい大学に入って、いい仕事についてほしい。
これはまだまだとても一般的な考え方です。
けれど、今、私たちは突然やってきたパンデミックで根底から価値観を覆されています。
本当にいつかなくなってしまうモノやお金だけで私たちは(幸せに)生きていけるんだろうか?
そんなギモンをつきつけられていますよね?
フレデリックは、目の前の事やモノのために働いているなかまの横で必死になって「感じるチカラ」をつかって、この世の美しさ、希望、生きるということ、の要素をかきあつめてくれました。
もちろん、なかまが一生懸命あつめてくれた食料のおかげでフレデリックも生きのびることができましたが、
なかまたちもまた、フレデリックがあつめてきたひかり、いろ、ことばのおかげで寒さと絶望を乗りこえていきます。
どうしてそんなチカラを持つアートが『必要じゃない』と言えるでしょう?
私たちはモノやお金だけでは生きられません。
生きていくためには、希望や夢、ココロが欠かせないのです。
なぜならこの世は本当はモノやお金ではなく、私たちの感じること、考えることでできあがっているから。
実際みなさんも日々、
「自分の生き甲斐ってなんだろう?」「私が生きる意味ってなんだろう?」
と常に考えているはずです。
学校のカリキュラムからも、補助金の対象からも、将来のキャリアの選択肢からもアートはいつも一番最初に切りすてられてしまい、娯楽、贅沢品、敷居の高いものとしてしか見られない傾向があります。
どうぞみなさんも身近に手にとれる絵本から、もう一度、アートって『必要』かな?って考えてみてくださいね!そしてぜひ、子どもたちにアート(=感じるチカラ)が絶望から野ねずみたちを救ったこの物語を紹介してあげてください。
アートが必要かどうかも越えて、子どもたちの生きかたの選択肢が広がる本だと思っています。
みなさんのご意見もぜひSNSやダイレクトメッセージで聞かせてくださいね!
今日も読んでいただき、ありがとうございました!
Sayaka