多様性をもっと身近に! 〜イギリス教育現場の『5つの価値観』から学ぶ!!〜

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こんにちは!
今日はイギリス、ロンドンに暮らすTakeshiからお届けします!

《多様性》はこれからのよりグローバルな時代を生き抜いていくのに、大切な要素の一つですよね。他の国や文化の価値観を学ぶことこそ《多様性》を身につける事、広い視野を持つ事に繋がります。

でも、僕はよくこんな疑問を耳にします。

「多様性ってなに?」
「多様性ってどうやったら身につくの?」
「多様性って子どもにどうやって教えたらいいのかな?!」

そんな疑問にお応えすべく、イギリスの学校だったらどこへいっても見かける

『5つの価値観』(British Values)

をご紹介したいと思います!

学校のあらゆる場所にこの『5つの価値』のポスターが貼ってあります。

学校のあらゆる場所にこの『5つの価値』のポスターが貼ってあります。

イギリスでダンスアーティストやセラピストとして活動していると、教育現場を訪ねる機会が多くあります。僕が訪ねた幼稚園、小学校のほとんどには、掲示板や壁、そしてトイレの中にまでこの

『五つの価値観』(British Values)

のポスターが貼ってあるんです。

今日はその5つのうちのひとつ目、《民主主義》について。
僕が実際どんなふうにイギリスの子どもたちに民主主義を教えているのか、ご紹介していきます。

民主主義をカンタンに説明するとしたら、

「ものごとはみんなで決めましょう!」

と言う考え方ですよね。

ダンスセラピストとして子どものグループセラピーをする時にも、民主主義をしっかり実践するようにしています。
例えば、初回のセッションでは、グループ内のルールを決めます。この時、もちろん僕から「これをしましょう、あれをしましょう」とは言いません。

子ども達に、「このグループのメンバーにとってベストなルールを一人一人考えて、意見を述べて下さい」とお願いします。そうすると子ども達は沢山のアイデアを出してきてくれます。

•人が話している時はしっかりとその人の話を聴く!
•お互いに優しくする!
•やりたくない時はまず頑張る!それでも無理なら見学する!
•困った時は助け合う!

子ども達から出てきた沢山の意見の中には、相手に対してどう接するかはもちろん、自分のニーズから発するものもあります。こうやってみんなで決める事で、『自分たちが決めたものだからきちんと守らなくちゃ!』と言う責任感が子どもたちの中から自ずと生まれます。

ダンスの授業をする時にも、民主主義的なアプローチを忘れないように心がけています。僕のクラスでは、即興自由に踊る手法をよく使います。即興をすると、子ども達の個性豊かな表現が湧き水のように溢れ出てきます。

こんな時こそ民主主義的なアプローチを使う最高のタイミングです!

子ども達の動きをよく観察しながら、

「〇〇くんは手と足を伸ばして動いてますねー!」
「〇〇さんは沢山回っていますよ!」

など実際に子どもたちがやっていることを僕が言葉にして彼らに伝えます。僕が観察した動きの中からいくつか選んで、「今日はこんな動きがみんなの中から出てきたから、この動きをみんなで実験してみよう!」と言った感じで授業が深まっていきます。

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子どもたちを導いていく大人として、カリキュラムやクラスの内容を入念にプランすることはもちろん大切です。でも僕は、きっちりと計画されたものよりも、子どもたち一人一人から出てきたものを取り上げてみんなの学びに繋げていく余裕を持った授業を心がけています。

そうする事で子どもたちは、自分が考えたことや感じたことがどんなふうにグループ全体に影響するのかを学ぶことができますし、その学び方が習慣化される事で、自分とみんなで創り上げる民主主義的な考え方が自然と根付き、例え小さな子どもでも個人としての権利や責任を感じることができる機会になると思うからです。

みなさんも、子育てや子どもに関わる仕事の中で、子ども一人一人が発信することがまわりにどんな影響を与えるのか、子どもたちと一緒に実験しながら考えてみてくださいね!

Takeshi