イギリスの美術館の凄いところ
アートで日本の親子と世界を繋ぎ
『正解のない時代を生きる子どもたち』の土台を創る
CREATIVE KIDS ACADEMYの松本武士です
先週末はロンドンのテムズ川沿いにあるテートモダンという美術館に行ってきました。
友人ダンサーが出演する子どものためのイベントが行われていたので、訪ねてみると、その作品は参加型。
入り口でヘッドフォンを渡されて、それを聞きながら入る。
ヘッドフォンからガイドが流れ、子どもたちがそれを聞きながら自由に空間や身体を使った遊びができるような仕掛けになっている。
ギャラリースペースはまるでおうちのようにソファや机が並び、
一角は台所のようになっていて、いかに地球に優しい料理ができるかを教えてくれる展示や、
またある一角はお茶を自由に配っていて、大人も心地よくいられるスペースに。
段々と空間に慣れていくと、ヘッドフォンで流れているガイドにそってダンサーたちが動いているのを発見する。
ヘッドフォンからは
『もし私たちの足が木の根っこのようになったら地面とどんな繋がりができるかな』
『身体を水のように動かして移動してみましょう』
『羽が生えて自由に飛べるとしたらどんなふうに動けるかな』
など、人間の身体を超えて動物や植物とつながるようなイメージを与えるガイドが流れていました。
これって子どもも、そして大人もエンパシーを使うエクササイズだと思うんですね。
自分ではないものの気持ちになって動いてみたり、感じてみることで、他の命や存在の大切さに気づく、という。
なんで今、こういう内容のものがここでプログラムされるか、というと、スコットランドのグラスゴーと言うところで行われている気象変動対策を協議するCOP26というサミットがおこなわれているからなんです!
自然や環境の重要さをいくら語ってもなかなか子どもには伝わらない難しさがあるので、それをダンスと身体という媒体で遊び感覚で自然との深いつながりを作りたい、そんな意図があったんだと思います。
そしてサミット開催時期に合わせることで、大人も子どもも同じ意識を持つことができる、そんな美術館の意図が汲み取れます。
展示スペースの中にこんなドキッとさせられる質問がありました。
『誰が未来を作るのでしょう?』
今の子どもたちが大人になったら作ればいい、という考えで今までの生活を続けていていいのでしょうか?
今の大人が持続可能な未来を作れるでしょうか?
色々考えさせられますね。
皆さんも子どもと未来のことを考える時間、作っていますか?
ぜひこの機会に一緒にクリエイティブに考えてみたらいかがでしょうか。
Takeshi